便利さの裏にある「確認不足」のリスクについて

行政書士への相談や依頼は、以前に比べてとても便利になりました。
メール、LINE、チャット、オンラインフォームなどを使えば、事務所に行かなくても簡単に相談できます。

忙しい方にとっては、非常にありがたい仕組みです。
特に、建設業許可、警備業認定、在留資格、各種許認可などは、必要書類のやり取りも多いため、オンラインで進められること自体には大きなメリットがあります。

しかし一方で、メールやLINEのやり取りだけで、面談をせずに正式受任・申請まで進めてしまうことには注意が必要です。

一見すると、効率が良く、費用も安く見えるかもしれません。
ただ、許認可申請や在留資格申請は、単に書類を集めて提出すればよいものではありません。
依頼者の状況、事業の実態、過去の経緯、今後の見通し、行政側が確認するポイントを踏まえて、申請全体を組み立てる必要があります。

メールやLINEだけでは、重要な事情が見落とされることがある

メールやLINEでの相談では、どうしても「依頼者が書いた内容」だけを前提に話が進みます。

もちろん、文章で状況を正確に説明できる方もいます。
しかし実務上は、依頼者ご本人が重要だと思っていない事情が、実は申請上とても大きな意味を持つことがあります。

たとえば、

・過去に不許可や指摘を受けたことがある
・名義上の役員と実際の経営者が異なる
・常勤性や実態面に不安がある
・工事実績や勤務実績の証明方法に問題がある
・他法令や許認可状況との関係を確認する必要がある

このような事情は、依頼者の方が最初から自覚しているとは限りません。

面談でお話を伺うと、何気ない一言から重要な問題点が見つかることがあります。
逆に、メールやLINEだけで進めてしまうと、申請後に行政庁から追加資料を求められたり、場合によっては不許可・不認定・補正対応の長期化につながることもあります。

行政書士には、本人確認や依頼内容の確認が求められる

行政書士は、依頼を受けて書類を作成し、申請手続を支援する専門職です。
そのため、単に「書類を作る人」ではなく、依頼者の意思や申請内容を確認し、適切な説明をしたうえで業務を行う必要があります。

行政書士の職務上も、依頼者が本人であることの確認、依頼の趣旨や範囲の明確化、報酬の説明、法令に反する書類を作成しないことなどが重要とされています。

つまり、メールやLINEだけで簡単に受任すること自体が、常に直ちに問題になるというわけではありません。
しかし、本人確認や意思確認、申請内容の確認が不十分なまま進めてしまうと、行政書士の職務としても適切とはいえないケースが出てきます。

特に、会社設立、不動産、財産管理など一定の業務では、犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認が必要となる場合もあります。
また、許認可の申請では、形式的な書類だけでなく、実態確認が非常に重要です。

「安い見積り」には理由がある場合もある

メールやLINEだけで完結するサービスの中には、比較的安い費用で案内されているものもあります。

もちろん、業務の内容が単純で、依頼者側の状況も明確で、必要資料も揃っている場合には、費用を抑えられるケースもあります。

ただし、注意すべきなのは、最初の見積りが安くても、

・実際には追加費用が発生する
・難しい事情が後から判明する
・申請の組み立てまでは十分に対応されない
・不許可リスクの説明が不十分
・補正や追加資料対応が別料金になる
・そもそも受任前の確認が浅い

といったケースがあることです。

許認可申請やは、安ければ良いというものではありません。
一度不許可や不認定になると、その後の再申請で過去の経緯を説明しなければならず、かえって時間も費用もかかることがあります。

※当事務所では、正式なお見積りを提出してご納得いただいてからの受任としておりますのでご安心ください。

当事務所では、必ずWebまたは対面で面談を行います

当事務所では、メールやLINEだけで正式に受任し、申請を進めることは原則として行っておりません。

お問い合わせの段階では、メールやLINEで概要を伺うことは可能です。
しかし、正式な見積りや受任判断を行う前に、必ずWeb面談または対面面談を実施しています。

これは、単に形式的な面談をしたいからではありません。

面談を行うことで、

・依頼者ご本人の意思確認ができる
・申請の目的や背景を正確に把握できる
・不利な事情やリスクを事前に確認できる
・必要書類だけでなく、証明方法まで検討できる
・追加費用が発生しやすいポイントを事前に説明できる
・申請後の流れや注意点を共有できる

というメリットがあります。

結果として、依頼者の方にとっても、後から「聞いていなかった」「そんなリスクがあるとは思わなかった」という事態を防ぐことにつながります。

正式見積りは、面談後にご案内します

当事務所では、最初のお問い合わせだけで確定金額を提示するのではなく、面談で内容を確認したうえで正式な見積りをご案内しています。

これは、依頼者ごとに事情が異なるためです。

同じ建設業許可申請でも、役員経験で証明するのか、実務経験で証明するのか、前職の資料があるのか、財産要件に問題がないのかによって難易度は変わります。

そのため、当事務所では、安易に一律料金だけを提示するのではなく、面談で状況を確認したうえで、必要な業務範囲と費用を明確にご案内しています。

「早い・安い」よりも、「失敗しない申請」を大切にしています

行政書士に依頼する目的は、単に書類を提出することではありません。
本来の目的は、許可を取得すること、在留資格を得ること、事業を適法に進めること、将来のトラブルを防ぐことです。

メールやLINEだけで簡単に進められるサービスは、便利に見える反面、確認不足のリスクがあります。

当事務所では、依頼者の状況を正確に把握し、必要なリスク説明を行い、納得いただいたうえで申請を進めることを大切にしています。

そのため、初回の段階では少しお時間をいただくことがあります。
しかし、その一手間が、結果として申請の安全性を高め、後々のトラブルを防ぐことにつながると考えています。

許認可申請や在留資格申請でお悩みの方は、まずは一度ご相談ください。
当事務所では、Web面談または対面面談により、現在の状況を丁寧に確認したうえで、正式なお見積りをご案内いたします。

まとめ

メールやLINEでの相談は、とても便利です。
当事務所でも、事前のご連絡や資料のやり取りには積極的に活用しています。

しかし、正式な受任や申請判断については、メールやLINEだけでは不十分な場合があります。

行政書士の業務では、本人確認、意思確認、依頼内容の確認、リスク説明、報酬説明が重要です。
だからこそ当事務所では、必ずWebまたは対面での面談を行ったうえで、正式なお見積りと受任判断を行っています。


「きちんと確認したうえで、確度が高く、安心して申請を進めたい」という方に、当事務所はしっかり対応いたします。

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増田良和
増田良和